【2月3日 AFP】英医学誌ランセット(The Lancet)に2日発表された論文によると、ロシアの新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」について、臨床試験(治験)の新たな分析から91.6%の有効性が示された。独立した専門家らは、同ワクチンの透明性をめぐる懸念を緩和する内容との見方を示した。

 旧ソ連が打ち上げた人工衛星にちなんで名付けられたスプートニクVは、臨床試験の最終段階の結果が出る数か月前にロシアで承認され、専門家の間で疑問視する声が上がっていた。ロシアではスプートニクVの接種がすでに始まっている。

 論文では、第3相臨床試験に参加した2万人のデータの新たな分析から、ワクチンの2回接種で90%を上回る有効性が示された。英レディング大学(University of Reading)のイアン・ジョーンズ(Ian Jones)教授らは、結果について「ワクチン接種の科学的原理が実証されたことは、新たなワクチンがコロナ感染拡大を抑える闘いに使えることを意味する」などと述べた。これまで90%を上回る有効性が示されたのは、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンと、米製薬大手モデルナ(Moderna)が開発したワクチン。今回の論文でスプートニクVがこれらと並び有効性の極めて高いワクチンであることが確認された。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は2日、規制当局の承認を受けたものであれば、欧州連合(EU)がすべてのワクチンを「歓迎」すると表明。最近、スプートニクVについてロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と協議したとも明らかにした。(c)AFP/Kelly MACNAMARA