【2月1日 AFP】クーデターが発生したミャンマーでは1日、首都ネピドーで食料の買いだめを急ぐ人や道路を封鎖する兵士らの姿が見られ、また最大都市ヤンゴンでは、勝利ムードの軍支持者らが集会を開いた。一方で、ミャンマーの民主的な将来への望みが奪われてしまったと感じる人々の間では、静かな怒りが広がっている。

 ミャンマーでは同日「非常事態宣言」が発令され、元将軍のミン・スエ(Myint Swe)副大統領が大統領代行に任命された。10年にわたる民主化の試みは後退し、軍による直接統治が復活する。

 ヤンゴンにある食料雑貨類の露店への列をつくる男性(64)は、自身への悪影響を恐れて匿名で取材に応じ、「腹が立って仕方がない。私はクーデターなど求めていない」と述べ、「これまで多くの変遷をこの国で見てきて、より良い将来を楽しみにしていたのに」と語った。

 クーデターの発生は何日も前から懸念されていたが、現実のものとなると国内に衝撃が広がり、同国最大の国際空港につながる道路は封鎖され、通信手段も遮断された。

 ヤンゴンの主要道路では、トラックの荷台に乗った軍支持者らが、クーデターへの支持を高らかに表明するかのように、国歌を大音量で流しながら国旗を振る姿が見られた。

 フェイスブック(Facebook)に投稿された動画には、スーレー(Sule)パゴダ(仏塔)周辺で軍支持派によるデモが行われ、現地や外国からの取材班が暴行を受ける様子が捉えられていた。(c)AFP