【2月1日 AFP】ミャンマー国軍によるクーデターとみられる動きを受け、米国とオーストラリアは相次いで非難声明を出し、身柄を拘束されたアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問やウィン・ミン(Win Myint)大統領ら政権幹部の解放を強く求めた。国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長も、スー・チー氏らの拘束を「強く非難」した。

 ジェン・サキ(Jen Psaki)米大統領報道官は、「先の選挙の結果を変えたりミャンマーの民主化を妨げたりするあらゆる試みに、米国は反対する。これらの対応が撤回されない場合は、責任ある者らに対し行動を起こす」と発表し、米政府として対抗措置をとる可能性を示唆した。

 サキ氏はまた、「国軍とその他全ての関係者に、民主主義的規範と法の支配を順守し、きょう拘束された人々を解放することを強く求める」と述べた。

 豪政府も、「再び実権を掌握しようとしている」とミャンマー国軍を非難し、スー・チー氏らの即時解放を迫った。マリス・ペイン(Marise Payne)外相は声明で、「法の支配を尊重し、合法的な仕組みを通じて紛争を解決し、文民指導者ら不法に拘束された人々全てを直ちに解放するよう国軍に求める」と訴えた。

 ステファン・ドゥジャリク(Stephane Dujarric)国連事務総長報道官は、「ミャンマーの新議会が招集される前日に(中略)政権幹部らが拘束されたことを、国連事務総長は強く非難する」との声明を発表し、「これらの動きは、ミャンマーにおける民主的改革への深刻な打撃だ」と述べた。

 ドゥジャリク氏は、スー・チー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)は昨年11月の選挙でミャンマー国民から強力な委任を得ており、それは「ようやく手に入れた民主的改革の道を歩み続けようというミャンマー国民の明確な意志の反映だ」と指摘。「国民の意思を尊重」するよう国軍に求め、「全ての指導者は、ミャンマーの民主改革というより大きな利益のために行動し、有意義な対話を行い、暴力を慎み、人権と基本的自由を完全に尊重しなければならない」と呼び掛けた。

 ミャンマー国軍は、NLDが圧勝した昨年の総選挙で不正があったと主張。先週、この問題を解決するために政権奪取も辞さないと示唆していた。(c)AFP