ミャンマー国軍、「非常事態宣言」発令 総司令官が全権掌握
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【2月1日 AFP】(更新、写真追加)ミャンマー国軍は1日、1年間の「非常事態宣言」を発令し、国軍出身のミン・スエ(Myint Swe)副大統領を大統領代行に任命した。国軍所有のミャワディ・テレビ(Myawaddy TV)が伝えた。「立法、行政、司法」の責任は、ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官に委譲されたとしている。
軍は1日早朝、ミャンマー現政権の事実上のトップであるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問やウィン・ミン(Win Myint)大統領ら、複数の政権幹部の身柄を拘束した。現地のAFP記者によると、国軍は最大都市ヤンゴンの市庁舎も掌握。市庁舎の敷地内に軍用トラック5台が止められ、兵士らが出勤してきた職員らを追い返している。
国軍はミャワディ・テレビを通じて声明を発表し、今回の動きは国家の「安定」を維持するために必要だったと主張。選挙委員会が昨年11月の選挙における「膨大な不正」に対処できなかったと非難した。
元将軍のミン・スエ氏が大統領代行として署名した声明は、「2020年11月8日に行われた総選挙における膨大な有権者名簿上の不正を、UEC(選挙管理委員会)は解決できなかった」と主張。「他の政党組織」が「国家の安定を害している」と批判し、「法にのっとって状況を解決しなければならないため、非常事態を宣言した」と説明している。(c)AFP