【1月28日 AFP】密猟者がソーシャルメディアに投稿した、ジャガーの赤ちゃん2匹を海外に違法に売る計画を目にすると、ニカラグア国立動物園(The National Zoo)のエドゥアルド・サカサ(Eduardo Sacasa)園長は赤ちゃんの救出に立ちあがった。

 母親ジャガーを既に殺していた密猟者らは、赤ちゃんの引き渡しと引き換えに、サカサ氏にある要求を突き付けた。それは、当局者を引き連れずにダウクラ(Daukura)地方まで来い、というものだった。

 サカサ氏は、カリブ海(Caribbean Sea)沿岸のプエルトカベサス(Puerto Cabezas)に飛び、そこからガイド4人の助けを借り、車で移動し、船で川を上り、ある村にたどり着いた。

 赤ちゃん2匹と首都マナグアに戻ってきたサカサ氏はAFPに、「2匹とも痩せている。牛の皮を餌として与えられていた」と話した。「(密猟者らは)2匹をホンジュラスに連れて行き、中国人に売るつもりだった」

 同氏によると、昨年11月にハリケーン「エータ(Eta)」と「イオタ(Iota)」によって生息地が破壊され、人間の住む地域に野生動物が姿を見せるようになったという。

 今回救出された赤ちゃんジャガーは生後3か月の雄と雌で、27日にマナグア南部にある国立動物園に到着した。これから数日かけて寄生虫の駆除と健康診断を行う。

 サカサ氏によると、ジャガーはバク同様、ニカラグアで最も絶滅が危ぶまれる動物の一種だ。ニカラグアでは、ジャガーは主に大西洋沿いの森に生息している。

 国際自然保護連合(IUCN)はジャガーを、「近危急種」に指定している。(c)AFP