【1月27日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は26日、米政府が新型コロナウイルスワクチン2億回分を追加購入し、夏の終わりから秋の初めまでに、ほぼ米国の総人口に当たる3億人分のワクチンを確保できると発表した。

 同氏はホワイトハウス(White House)で記者団に対し、米政府は、どちらも米食品医薬品局(FDA)が承認した米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンと、米製薬大手モデルナ(Moderna)製のワクチンを、それぞれ追加で1億回分ずつ購入していると明らかにした。

 バイデン氏は「まだ入手はしていないが、発注は終えた」と述べ、「追加の2億回分は、今年の夏に届けられる見込みだ」と明らかにした。今回の追加購入により、米政府によるワクチン発注数は6億回分に上るという。

 同氏によれば、「これは今年の夏の終わりから秋の初めまでに、米国人3億人が完全に接種を受けられるワクチン量になる」という。

 バイデン氏は就任100日以内に1億回の接種を行うと約束しており、政府として、州と海外領土に向けた1週間当たりの全体的なワクチン供給量を増やしていると述べた。

 米政府は、1週間当たりのワクチン供給量を860万回分から、最低でも1000万回分になるように増やしている。

 バイデン氏は、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を収束させるには、「戦時中並みの努力」が必要だとした。

 同氏は「すでに米国人40万人以上が亡くなっている」ことを挙げ、「誇張ではなく、これは戦時中並みの事業だ」と警告した。

「事態は改善を見せる前に、悪化の一途をたどる」と述べた上で、「専門家によれば、今年2月末までの死者数は50万人に上る可能性が高い。感染者数も増え続けていく」と警鐘を鳴らした。

「一夜にしてこの混乱に陥ったわけではない。事態を好転させるためには、数か月はかかるだろう。しかし、それと同時に明確にしておきたい。われわれはこの現状を乗り越えつつある。われわれはこのパンデミックに打ち勝つ」 (c)AFP