【1月27日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は26日、連邦政府による民間刑務所の使用を段階的に廃止するよう司法省に命じる大統領令に署名した。

 バイデン氏は大統領令の中で、「現行の大規模収容制度が社会と地域に膨大なコストと負担をかける一方、国民をより安全にはしていないとの認識が広く共有されている」と述べた。

「被収容者の数を減らすには、民間が運営する刑事収容施設への連邦政府の依存を段階的に減らすことによって、利益を増やすために被収容者を増やそうとする誘因を減らさなければならない」

 連邦政府と各州の計200万人以上の被収容者のうち、約11万6000人が民間刑務所に収容されているが、バイデン氏は、「民間が運営する刑事収容施設は、矯正業務、プログラム、物的・人的資源の面で、連邦の施設より一貫して劣っている」と述べた。「被収容者が刑務所にいる間に、人生の次の章を準備できるようにしなければならない」

 米国では、主に違法薬物撲滅キャンペーンで被収容者が爆発的に増加し始めた1980年代に刑務所運営を手がける民間企業が出現。利益性の高い大規模事業に発展し、株式を上場する企業も現れた。

 しかし、利益を追求するあまり、被収容者のケアをおろそかにしていると批判されてきた。こうした企業は、運営する施設を満員にし続けるため、厳罰化を助長してきたとも言われている。(c)AFP