【12月31日 AFP】米東部ウェストバージニア州のジム・ジャスティス(Jim Justice)知事は30日、同州の刑務官の実習員30人が集合写真の撮影の際、ナチス・ドイツ(Nazi)式の敬礼を行ったため解雇される予定だと明らかにした。

【あわせて読みたい】東南アジアでナチスはファッション? 街にあふれるかぎ十字やヒトラー タイ

 ジャスティス知事は実習員らの行為について、「可能な限り最も強い言葉」で非難すると表明し、「私の在職中は州のどの機関においても、このような行為は容認されることはない」と述べた。

 先週28日にはニューヨークで刃物を持った男がユダヤ教の祭日「ハヌカ(Hanukkah)」を祝うパーティーに侵入して5人を負傷させる事件が起きており、米国内では反ユダヤ主義的な事件が続くことへの懸念が高まっていた。

 今月に入って米メディアが公開した問題の写真は数週間の研修後に撮影されたもので、実習員らが「ヘイル・バード!(Hail Byrd!、バード万歳!)」と書かれた壁の前でナチス式の敬礼をしている姿が写っていた。バードとは教官のキャシー・バード(Kassie Byrd)氏の名字。

 ウェストバージニア州の公安当局によると、ある刑務所当局者がバード氏に懸念を伝えたが、実習員は人種も生い立ちもさまざまだと同氏は反論し、「ヘイル・バード!」の文言については「私が(アドルフ・)ヒトラー(Adolf Hitler)のように厳しかったから」実習員らが書いたと説明したという。

 軍・公安当局は写真に写っていた実習員全員に加え、写真について上司に報告しなかった刑務官の解雇を勧告。また、教官2人もすでに解雇されている。(c)AFP