【1月26日 AFP】タイ最大の国立公園で昨年12月に捉えられた、絶滅が危惧されるシャムワニの写真が23日、公開された。シャムワニが目撃されたのはここ10年で2度目だという。

 写真が撮られたのはミャンマーとの国境近くに位置するケーンクラチャン国立公園(Kaeng Krachan National Park)で、陸に上がって日光浴している姿が収められた。

 シャムワニはかつて東南アジアに多数生息していたが、現在は国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List of Threatened Species)」に入っている。

 国立公園当局は、乱獲と生息地が失われたことが原因で、野生のシャムワニは約20頭しか生息していないと推定している。

 ケーンクラチャン国立公園のマネジャー、マヌーン・プリウスーンヌーン(Manoon Prewsoongnern)氏によると、今回姿が捉えられたシャムワニの体長は3メートルで、シャムワニが目撃されたのは過去10年間で2回目だという。

 マヌーン氏は、「シャムワニは捕食者だが、環境破壊の被害を最初に受けた動物の一つだ」と指摘。今回目撃されたことで、ケーンクラチャン国立公園の環境が保全されていることが証明されたと述べた。

 シャムワニは、密猟者の間で非常に人気が高い。卵や成体は域内の農場に引き取られ、革はベルトや靴、ハンドバッグなどに加工される。(c)AFP