【1月26日 AFP】米連邦最高裁は25日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が外国から収入を得たことで憲法に違反したとして起こされた訴訟を退けた。

 連邦最高裁判事らは、トランプ氏が退任した今、訴訟は無意味だとして審理を拒否。下級裁判所にも同様の訴訟を却下するよう指示した。

 これらの訴訟が根拠としているのは合衆国憲法の「報酬条項」。同条項は公職に就く者が議会の承認なしに外国政府から贈与や報酬、称号を受け取ることを禁じている。

 トランプ氏が同条項に違反したとする訴訟は複数起こされていた。特に注目を集めていた訴訟では、外国政府関係者らがトランプ氏から便宜を得るためにホワイトハウス(White House)近くのトランプ・インターナショナル・ホテル(Trump International Hotel)を利用したことが同条項違反に当たるとされていた。

 不動産王から大統領となったトランプ氏は2017年の就任に当たり、自身の事業運営を息子らに委ねたものの、保有していた複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)の株式は手放さなかった。同社は2018年、4億3500万ドル(約452億円)の収益を上げた。

 これについてトランプ氏と司法省は、報酬条項の目的は公務員の収賄を防ぐことであり、トランプ氏の行為は通常の事業活動に当たるため同条項での禁止対象とはならないと主張していた。(c)AFP