【1月23日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の就任式が行われた米首都ワシントンで警備に当たった州兵らが夜を明かす場所として、寒々しい地下駐車場が割り当てられたことが分かり、批判が殺到している。

 今月6日に起きた連邦議会への乱入事件を受け、ここ数日議事堂付近の警備に当たっていた州兵2万5000人の多くは、長時間の勤務の合間に議事堂の床で休憩や仮眠を取ることが許可されていた。

 しかし、21日午後、バイデン氏の就任翌日に議会が業務を再開すると、誰かが州兵を近くの地下駐車場に移動させることを決めた。

 トイレや、携帯電話などを充電できるコンセントなどの設備がほとんどない駐車場で、蛍光灯の光の下で横になる州兵らの姿を撮影した写真は、瞬く間にインターネット上で拡散された。

 一部の議員らは、州兵の多くはそれぞれの出身州から駆け付けているにもかかわらず、このような扱いを受けていると怒りを表明。議員らは22日午前、州兵らに会いに行き謝罪した。

 米民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は同日、誰が州兵を地下駐車場に行かせると決めたのかは分からないと述べた。同日午後にはファーストレディーのジル・バイデン(Jill Biden)氏が、議会で任務に就いている州兵らのところにサプライズで現れ、チョコチップ入りのクッキーを振る舞い、州兵らと一緒に写真に写った。

 州兵関係者によると、連邦議会警察が州兵に駐車場へ移動するよう命じたという。だが、連邦議会警察はこれを否定している。

 連邦議会警察のヨガナンダ・ピットマン(Yogananda Pittman)長官代行は、「けさの時点で、州兵全員が議事堂施設内の場所に戻されている」と述べた。(c)AFP