【1月22日 AFP】モンゴルで、新型コロナウイルスに感染した産後間もない女性とその新生児の扱いをめぐり抗議活動が起きたことを受け、ウフナー・フレルスフ(Ukhnaa Khurelsukh)首相は21日、辞任を表明した。

 内陸国のモンゴルは新型コロナウイルスの流行を受けて国境管理を厳格化し、昨年同国で確認された新型コロナウイルス感染者はごく少数にとどまっていた。だが昨年11月に最初の国内感染が確認されると、政府はロックダウン(都市封鎖)をはじめとする一連の制限を新たに導入した。

 今週、気温がマイナス25度まで下がる中、産後間もないとみられる女性が病院のパジャマとスリッパのみを着用した姿で赤ちゃんを抱きしめて救急車に乗せられ感染症センターへと搬送される様子がテレビで報じられると、怒りの声が巻き起こった。モンゴルでは、産後1か月は母親が寒い場所と冷たい食べ物を避けるべきとの言い伝えがある。首都ウランバートルの政府庁舎近くの広場には20日、約5000人が集結し抗議活動を行った。若者が大半の抗議デモの中には、赤ちゃんを象徴し布の巻物を手にした参加者もみられた。

 フレルスフ首相は21日、「母親の搬送の際、われわれが間違いを犯したことは遺憾だ」とし、「(女性が)受けた扱いを目にし、心が痛んだ」と言明。「首相として責任を取らなければならない」と表明した。(c)AFP