【1月21日 AFP】米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領に投票した米国人約7500万人の中には、ジョー・バイデン(Joe Biden)氏の勝利の正当性を認めようとしない人々がいる。

 AFPは何人かのトランプ氏支持者を取材し、トランプ氏が次に何をするか、民主党のバイデン新政権下で生活はどうなるかなどについて考えを聞いた。

■「バイデン陣営は不正をしたと思う」

 ノースカロライナ州ヒッコリー(Hickory)でヨガを教える熱心なカトリック教徒のギア・マクソン(Gia Maxson)さんは、無数のカメラに捉えられていたにもかかわらず、トランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂に乱入したことを信じていない。「あれはすべてを終わりにするために、仕組まれたこと。彼らは最初、彼(トランプ氏)を辞めさせようとあらゆる手を尽くした。そしてついに彼をひそかに葬り去る方法を見つけ出した」

 マクソンさんは「米国でこんなことが起きるなんて恐ろしいし、怒りを感じるし、とにかくショックだ」と語った。いつもは大統領就任式をテレビで見るが、今年は見ないことにしたという。

「全く正当性がないと思うし、バイデン陣営は不正をしたと思う。バイデン氏が8000万票も取るなんてあり得ない」。マクソンさんは不正投票があったという根拠のない主張に触れつつ、トランプ氏は逃げないと語った。

「新政党を旗揚げすればいいと思う──『愛国者党(Patriot Party)』を。それがベストなシナリオだと思う。二大政党制の終わり」

■トランプ氏の「弾劾訴追は違憲」

 ペンシルベニア州ブラッドフォード(Bradford County)郡のダグ・マクリンコ(Doug McLinko)郡政委員(共和党)は、民主党が大統領選における選挙人団制度を廃止しようとしているのではないかと懸念している。「ルーラル・アメリカ(Rural America、米国の地方部)は声を失い、主要大都市圏(の声)だけになってしまう」

「この国はこれほど分断されたことがない」と語るマクリンコ氏は、左派の一部がトランプ氏支持者をネオナチと呼んでいることを非難した。「ナチス(Nazi)呼ばわりほどひどい表現はないと思うが、彼らはこういうことを言ったその口で、次の日には米国を癒やすなどと言っている」

 さらにマクリンコ氏は、トランプ氏の弾劾訴追について「完全に違憲だと思う。7500万人がトランプ氏に投票したことが忘れられているようだ」と述べ、いわゆるトランプ主義(Trumpism)はなくならないと思うと語った。「ナショナル・ポピュリズムはドナルド・トランプ氏以上のもので、どこにも行かない」