【1月22日 東方新報】中国の一部地域で今年に入り再び新型コロナウイルスの感染が広がり、住民にPCR検査を進めたところ、長年逃亡を続けていた殺人事件や詐欺事件の指名手配容疑者が次々と発見、逮捕された。中国では新型コロナウイルスが発生した地域では、行政や警察、住民ボランティアが一体となって地域の全住民にPCR検査を呼びかけており、ローラー作戦が思わぬ効果ももたらした。

 今月12日、遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)で担当地域を巡回していた警察官たちが、ある家庭でドアを開けるよう求めた。母と娘が姿を見せ、母親はあわてた様子だった。「こんにちは。全員にPCR検査を受けてもらっていますが、こちらは家族何人いらっしゃいますか」。警察官が尋ねると、娘が口ごもりながら「3人」と答えた。警察官がさらに「お父さんはいらっしゃいます?」と尋ねると今度は母親が娘をさえぎり、あわてた口調で「夫とは2年前に別れました!」と答えた。警察官が不審に感じていると、家の浴室に誰かがいる気配を察知。浴室の前で「私たちは警察です。出てきなさい」と呼びかけると、ゆっくりと扉が開き、男が顔を出した。捜査の結果、男は昨年4月に215万元(約3500万円)の詐欺事件を起こしたとして指名手配されていた沈容疑者(66)と判明。警察は容疑者の身柄を抑え、取り調べを進めている。

 瀋陽市ではさらに13日、ボランティアが地域を巡回してPCR検査を呼びかけていると、名前を名乗らない挙動不審な男に出会った。通報を受けた警察官が男に職務質問しても、自分が何者か明かさない。身元確認を進めた結果、男は吉林省(Jilin)出身で、故意殺人罪で指名手配を受けている王容疑者(37)と分かった。王容疑者は学生だった21年前にささいなトラブルから同級生を殺害し、遺体を埋めたことを認めた。

 同じく住民にPCR検査を求めた河北省(Hebei)石家荘市(Shijiazhuang)でも12日、詐欺容疑者が逮捕された。警察官がPCR検査会場で警備していると、近くの建物で検査を逃れる動きをした男を見つけた。2015年に北京で、ホテルや鉱山経営への投資を名目に約50人から約1300万元(約2億円)をだまし取っていた男と分かり、身柄を確保した。

 中国では昨年5月にも黒竜江省(Heilongjiang)牡丹江市(Mudanjiang)で、20年前に傷害致死事件を起こして逃亡していた男がPCR検査を巡って発見され逮捕されている。

 インターネットでは「21年間逃げ続けた男も、PCR検査からは逃れられなかった」「天網恢々(てんもうかいかい)疎にして漏らさず(天の張る網は目が粗いようでも悪人を逃さない)とはこのことだ」とユーモアを込めた書き込みが目立つ。(c)東方新報/AFPBB News