【9月7日 東方新報】中国がペットブーム時代に入って久しいが、最近は経済的環境的理由、あるいは猫アレルギーなどの理由でリアル世界では猫が飼えない人たちの間で「雲養猫(エア猫)」が人気だ。インターネット上で生み出され、買われているバーチャル猫、猫キャラクターIP(インテレクチュアル・プロパティ)の総称だ。こうしたバーチャル猫を売買したり、交配したりするエア猫アプリや専用サイトも多くあり、近年ユーザーが急増している。

 2018年ペット産業白書によれば、中国では2300万人が猫を飼っており、4000万匹以上の家猫がいる。また5000万人以上が猫好きで、猫への年度消費はすでに1000億元(約1兆5549億円)を超えている。こうした猫ブームは、IP派生物の一つでもあるエア猫の市場もけん引、いまやもっとも資金を集められるバーチャルペットモデルとなり、「エア猫経済」という言葉まで登場している。

 エア猫は、猫を飼う疑似体験ができるだけでなく、自分の猫IPをつかって二次元経済にも手を伸ばせるのが魅力という。いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)だ。

 猫ものコンテンツは今や新たな振興の産業経済。例えば微博(ウェイボー、Weibo)上の猫ペットブログ主が生み出した人気エア猫キャラクターには、何千万ものフォロワーが付き、一種の広告資源となっている。またこうしたキャラ、アバターを使った特定番組などを作り、動画投稿サイトに投稿したり、自作フラッシュアニメにしたり、あるいはEコマースで派生商品を売り出したりもできる。エア猫を通じて動画で人気を得て「広告+Eコマース」で利益を上げる、という形で一つのビジネスモデルにもなっているという。

 人気の動画投稿サイト・ビリビリ動画(bilibili)はエア猫動画が比較的多い創作者同士が、相互に連動して、エア猫同士でドラマをつくったりできる、という。フォロワーたちもスマートフォンやVR(バーチャルリアリティー)設備などを使って、さらにリアルにエア猫を体験できるという。

 こうした類のゲームや遊びが市場として拡大していくと、さらにさまざまな技術がこの分野に参入していく。例えば、ブロックチェーン技術を使ったカナダ発のオンラインゲーム「迷恋猫(CryptoKitties)」だ。

「迷恋猫」は、ユーザーがエア猫を購入したり販売したり、交換したり、繁殖したりできる、電子猫交配ゲーム。256のDNAを組み合わせて、外観や性格、個性など40億通りのことなる猫が生み出せるゲームだ。

 唯一無二の自分だけの個性を持った猫を生み出し、ブロックチェーン技術でその寿命を延長できる。猫の寿命は100年におよぶとか。

 しかも、こうして生み出された猫は、珍しい個性や年齢によって価格が変動し、売買もできる。人によっては自分が猫を育てるために投資した金額よりも高額で猫を販売することも可能。猫の取引価格は、すでに市場が価格を決定するしくみになっている。

 2017年12月9日の時点で、迷恋猫の公開市場で売りに出されたエア猫は7万匹以上で、取引総額は1000万ドル(約11兆円)以上、つまり一匹平均126ドル(約1万3378円)だった。高価な猫は12万ドル(約1274万円)、つまり80万元(約1243万円)以上で売れたものも。

 ところで、こういったエア猫市場拡大を背景に、最近、問題になっているのは「エア猫詐欺」だ。エア猫のオーナーになれますよ、という名目で資金をだまし取る詐欺で、最近、「喵喵」といったアプリやサイトを使ったエア猫詐欺では、6000人以上が金をだまし取られていたことが判明した。詐欺の仕組みは、一種のネズミ講、ポンジースキーム詐欺で、ネット上ではだまされる方が悪い、と批判されるほどシンプルだ。

 ネット上の広告で、「エア猫に投資しませんか。高いリターンが得られます」といった誘い文句でユーザーを誘い、SNSのチャットグループに引き入れて、簡単にリターンが得られた体験談をきかせて、信用させて資金を投じさせるという仕組み。

 ネット警察は、ハイリターンを歌うアプリのほとんどがネズミ講式の詐欺であると、重ねて注意を喚起している。(c)東方新報/AFPBB News