【1月20日 AFP】米民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏(78)は19日、第46代大統領となる就任式を翌日に控え、感極まり涙を拭いながら地元デラウェア州に別れを告げ、首都ワシントンへ向かった。

 バイデン氏は、2015年に脳腫瘍で亡くなった長男ジョセフ・「ボー」・バイデン3世(Joseph "Beau" Biden III)氏の名を冠した州兵基地で、数十人の招待者を前に演説。

 バイデン氏は指で目頭を押さえてから、「私たちのワシントンへの旅がここから始まることは、個人的に感慨深い」と述べた。「今ここに彼がいないことだけが心残りだ」と亡き息子に触れ、「本来なら、彼を大統領として紹介しているはずだったから」と語った。

 またバイデン氏は、世界で最も強大な国のかじを取ろうとする次期大統領としては異例にも、自らの生涯の終わりについても言及。「感極まって申し訳ない」と言って少し間を置き、落ち着きを取り戻すと、「だが私が死ぬとき、デラウェアは私の心に刻まれるだろう」と述べた。

 バイデン氏は今回の米大統領選の歴史的な特徴にも触れ、米史上初の黒人の大統領となったバラク・オバマ(Barack Obama)氏の政権でバイデン氏自身が副大統領に就任してから12年後、南アジア系の黒人であるカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が副大統領に就任することに言及した。「物事は変わらないとは言わないでほしい。物事は変えられるし、変わるんだ」と述べ、「それがアメリカだ。それがデラウェアだ」と続けた。(c)AFP