【1月18日 AFP】エジプトは17日、首都カイロ南方のサッカラ(Saqqara)遺跡で3000年以上前の木製のひつぎを50以上発掘したと発表した。エジプト元考古相のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)氏は「歴史を書き換える発見」だとしている。

 サッカラ遺跡は、古王国時代の首都だったメンフィス(Memphis)の大規模墓地(ネクロポリス)で、十数基のピラミッドがある。新王国(New Kingdom、紀元前16世紀から紀元前11世紀)時代にさかのぼる木製のひつぎが50以上、埋葬用の縦穴の中で発見され、遺跡の発掘作業が進められる中、人の頭蓋骨や骨など発掘された遺物が17日にメディアに公開された。

 ハワス氏は17日にAFPに対し、「珍しい新発見だ」として、「これまでサッカラでは紀元前500年前後のものが見つかるのが普通だったが、今回見つかったものは主に新王国時代にまでさかのぼる」と述べ、「今回の発見はサッカラの歴史を書き換えるものだ。もっと具体的に言えば、3000年前に始まった新王国の歴史を書き換える発見だ」と続けた。

 ハワス氏によれば、今回発掘された遺物の中には、「死者の書(Book of the Dead)」第17章を含む長さ約5メートルのパピルスやマスク、木製の船、古代エジプト人が遊んでいた複数のボードゲームなどがある。

「セネット(Senet)」と「ゲーム20(Game 20)」と呼ばれるボードゲームは、死者が死後、遊べるように墓の中に置かれていた。セネットの勝者は、「古代エジプトの天国」とされたあの世に行くのだとハワス氏は説明した。

 ハワス氏によると、サッカラ遺跡でこれまでに発掘された遺物は全体のわずか30%程度で、70%はまだ砂の下に埋まっているとみられているという。(c)AFP/Mohamed Abouelenen