【1月18日 AFP】フィギュアスケート全米選手権(2021 TOYOTA U.S. Figure Skating Championships)は17日、ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、4回転ジャンプ4本をきれいに決めたネイサン・チェン(Nathan Chen)が大会5連覇を果たした。

 全米選手権5連覇は、1946年から1952年にかけて7連覇を達成したディック・バトン(Dick Button)氏以来となる。チェンは「信じられない。心から大事にしたい優勝だ」と喜び、「7連覇を達成したディックは全スケーターの憧れだから、足跡をたどれるのがとてもうれしいし、フィギュアスケートという競技の今後も楽しみだ」とコメントした。

 チェンはこれで、5位に終わった2018年平昌冬季五輪を最後に無敗を続けている。

 最初の4回転では片手をつく珍しいミスを犯したが、その後の4本は成功させてFS208.36点、合計322.28点をマークし、2位のヴィンセント・ゾウ(Vincent Zhou)に30点以上の大差をつけた。3位にはジェイソン・ブラウン(Jason Brown)が入り、ショートプログラム(SP)の1位から3位がそのままの順位で表彰台に入った。

 3月には、スウェーデンのストックホルムで世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2021)が予定されている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は収まらず、スポーツ界も先行きが不透明な状況が続いているが、チェンは「完璧な演技じゃなかったし、世界フィギュアがある想定で、すぐに取り組める部分がたくさんある」と改善に向けた意気込みを口にした。

 五輪2連覇を果たしている羽生結弦(Yuzuru Hanyu)との直接対決がなかった2020年については、「変な感じ」だったと話している。二人が同じ大会に出場したのは、2019年12月のグランプリ(GP)ファイナルが最後となっている。

 女子シングルはブラディー・テネル(Bradie Tennell)が制し、アイスダンスはマディソン・ハベル(Madison Hubbell)/ザカリー・ダナヒュー(Zachary Donohue)組が3回目、ペアではアレクサ・クニエリム(Alexa Knierim)/ブランドン・フレイジャー(Brandon Frazier)組がこのペアでは初となる大会優勝を果たした。(c)AFP