■「苦労のおかげ」

 2017年に競技から引退後、さらなる差別が仕事の世界で待ち受けていた。企業が、「イメージ」に合わないという理由で彼女の採用を拒否したのだ。

「20社近く応募しましたが、どこも同じ言い分でした」

 その後、ボディービルでデビューし、伝統衣装のハイネックのチャイナドレスを華やかにまとい、何人もの健常者のライバルを打ち負かした。しかし、オンラインで多くの賛辞を受ける一方、家でじっとしていろという声もあった。

 時折、右脚をどうしたのかと路上で尋ねられ、グウェイさんはハッとする。脚が1本ない状態が当たり前になって、意識から消えていたのだ。

 松葉づえをいつも身近に置いておくが、日々の生活に支障を感じることはまれのようだ。

「私は運が悪かったと、たくさんの人が考えているけれど、私はそう思わない」とグウェイさんは言う。「そんな苦労もあったけれど、ありがたい気持ちです」

「おかげで成長でき、心が強くなり、今の私になれたんですから」と語った。(c)AFP/Peter STEBBINGS and Jessica YANG