【1月15日 AFP】国連(UN)の専門機関、世界気象機関(WMO)は14日、2020年の世界の平均気温が16年と並び、観測史上最高となったと発表した。アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、世界の気温が今世紀中に3~5度上昇する「破滅的」状況になる見通しだと警告するとともに、急速に進む気候変動が人々の生活を破壊していると指摘した。

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 WMOが世界の主要データ5つを統合して分析した結果によると、2020年の気温は「2016年と首位を争う」高さを記録。2011~20年は観測史上最も暑い10年間となった。

 昨年は、太平洋(Pacific Ocean)赤道域の海面水温が平年より低くなるラニーニャ(La Nina)現象が発生したものの、それにより「気温上昇に歯止めがかかったのは20年の終盤のみ」だとWMOは指摘。世界気温の高かった上位3年は2016年、19年、20年で、各年の違いは「ほぼ無いに等しい」という。

 2020年の世界平均気温は約14.9度で、産業革命前(1850~1900年)の水準から1.2度の上昇となる。2015年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」は、産業革命前からの気温上昇幅を2度より十分低く保つことを目指すと同時に、各国の努力目標としてこの上昇幅を1.5度に抑えることを定めている。(c)AFP/Robin MILLARD