【1月14日 AFP】ロシアの検察当局は、ナチス・ドイツ(Nazi)の軍服を着たサルとかぎ十字の模様が入った布をまとったヤギ2匹を出演させた公営サーカス団のクリスマス公演について、捜査を開始した。

 ロシア・ウドムルト(Udmurt)共和国の検察は、「ナチスのシンボルが入った布をまとった動物」の画像がソーシャルメディアに投稿されたことを受けて、公営サーカス団の公演について捜査していると発表した。

 この公演はロシア正教会イジェフスク(Izhevsk)支部が主催し、ロシア正教のクリスマスの翌日に当たる1月8日に開催された。

 サーカス団が公開した動画には、ソ連の軍服を着た女性に舞台上を引き回されるナチスの軍服を着たサルと、かぎ十字が入った赤い布をかけられたヤギ2匹が映っていた。

 イジェフスク支部はナチスのシンボルについて、第2次世界大戦(World War II)中の1942年に、モスクワ近郊でソ連軍がドイツ軍を撃退したエピソードの中で使用したと説明。

 さらに、「サーカスの特色は娯楽であり、その中の表現が皮肉を、時にはグロテスクな性質を有するのは驚くことではない」と述べた。

 イジェフスク支部とサーカス団は、ナチスのシンボルの全面的な使用禁止を解除し、極右思想を助長する意図がなければ使用できるとした昨年の法改正に言及。この公演はロシアの法律違反に当たらないと主張した。

 ロシアでは2014年からナチスのシンボルの使用が全面的に禁止されていたが、額面通りに解釈すると、ナチスや第2次世界大戦に関するドキュメンタリー番組や映画、書籍、イラスト、教科書まで対象になるとして、一部の議員に批判されていた。(c)AFP