【1月13日 AFP】(写真追加)アイルランドで国や教会が1998年まで運営していた母子生活支援施設で、子ども約9000人が死亡していたことが、12日に発表された政府の公式調査報告書で明らかになり、ミホル・マーティン(Micheal Martin)首相は翌13日、国として公式に謝罪した。

 マーティン首相は同日下院で、「(同施設に)行かざるを得なかったわが国の母親や子どもたちの身に降りかかった当時の世代の過ちを謝罪する」と述べた。

 歴史的にカトリック教徒が多いアイルランドの「母子の家」は、配偶者がおらず、パートナーや家族からの支援も得られず、社会から厳しい非難にさらされた妊婦らを受け入れる施設だった。

 政府の母子の家調査委員会(CIMBH)は、施設が運営されていた76年間について調査を実施。その結果、施設にいた子どもの15%に当たる約9000人が死亡していたことが分かり、その数は「不穏」というべきレベルだったと指摘した。

 施設内で生まれた子どもの多くが、母親から引き離されて養子に出され、血縁関係を完全に断たれていた。

 CIMBHは報告書の中で、単独の死因は挙げていないものの、「特定可能だった主な死因は呼吸器感染症と胃腸炎だった」としている。また1934~73年に、施設の子どもたちを対象にした非倫理的なワクチン実験が計7件あったことにも言及した。

 マーティン首相は12日、同報告書について「わが国での数十年間に及ぶ根深い女性憎悪の風土に風穴を開ける」ものだとする見方を示し、「わが国には過去に、セクシュアリティーや肉体関係について完全にゆがんだ姿勢があり、その機能不全の恐ろしい代償を払わされたのが若い母親やその子どもたちだった」と話していた。(c)AFP