【1月12日 AFP】途上国での予防接種普及に取り組む国際機関「Gaviワクチンアライアンス(Gavi, the Vaccine Alliance)」は12日、将来起こり得るエボラウイルス病の流行に迅速に対応するために、50万人分のワクチンの緊急用備蓄を用意すると発表した。

 Gaviによると、低所得国および低中所得国は備蓄ワクチンを無償で利用できる他、予防接種計画の実施費用の援助も受けることができる。

 コンゴ民主共和国の北キブ(North Kivu)州とイトゥリ(Ituri)州では、2年にわたるエボラウイルス流行のさなかに30万人以上が予防接種を受け、昨年6月に流行が終息した。

 Gaviのセス・バークレー(Seth Berkley)最高経営責任者(CEO)は「あらゆる国へ提供可能なエボラワクチン50万人分の備蓄を用意することで、将来のエボラウイルス流行を迅速に食い止め、人命の損失を防ぐことができる」と述べた。備蓄ワクチンはスイスのバーゼル(Basel)で保管される。

 2013年にギニアで始まり、アフリカ西部の近隣諸国のリベリアやシエラレオネに広まった過去最悪の流行を受けて、エボラウイルスワクチンの開発は加速した。

 2016年3月に終息を宣言した世界保健機関(WHO)によると、この流行の感染者は2万9000人近くに上り、うち1万1300人以上が死亡した。

 WHOはエボラウイルスの平均致死率は50%前後だが、状況によっては90%まで上昇することもあるとしている。

 Gaviは現在、WHOと共同で、世界各国の人口20%に当たる人数分の新型コロナウイルスワクチンを調達し、年内に分配する取り組みを率いている。(c)AFP/Robin MILLARD