【1月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はこれまでツイッター(Twitter)を通して、あだ名による中傷、侮辱、加工動画、さらには政策決定を発信してきた。

 しかしツイッターが8日にトランプ氏のアカウント「@realDonaldTrump」を永久凍結したため、同氏はもうこのお気に入りの発信媒体を使うことはできない。

 ここで、記憶に残るトランプ氏のツイートを振り返る。

■「フェイクニュース!」

 大統領就任から数か月後の2017年7月、トランプ氏は、プロレスの試合会場で自身が男性を床に倒す動画を投稿した。動画は加工され、男性の顔の部分には米CNNのロゴが挿入されていた。このツイートは数十万回シェアされた。

 トランプ氏はこの4年間、たびたびツイッターでメディアを「フェイクニュース」と糾弾し、自身に対する「魔女狩り」を主導していると非難してきた。

■金氏よりも「はるかに大きな」ボタン

 大統領就任2年目には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が新年の辞で、自身の机に核兵器を発射する「核のボタン」があると警告したことに激怒。即座にツイッターで金氏を「ロケットマン」と呼んだ。

「北朝鮮のリーダーの金正恩が『核のボタンは常に机の上にある』と発言した。弱りきり、飢えた(北朝鮮の)政権の誰か、彼に教えてやってくれ。私も核のボタンを持っていて、彼のものよりはるかに大きく強力だと。しかも私のボタンは機能する!」

■「寝ぼけたジョー」

 この4年間でトランプ氏は、ツイッター上で政敵をやゆし、あざけるようなあだ名をつけていった。

  ジョー・バイデン(Joe Biden)次期大統領を「スリーピー・ジョー(寝ぼけたジョー)」、民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長を「クレイジー・ナンシー」と呼んだ。

 大統領選の民主党候補指名争いで一時最有力とされたエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)氏には、先住民の祖先がいると長らく主張していたことから(後に先住民の血筋はわずか16%と判明)、「ポカホンタス(先住民女性の名前)」とのあだ名をつけた。

 トランプ氏は自身の呼び方にも遠慮がない。ただし他人にするのとは逆で、自分は精神的に「非常に安定した天才」だと言い切っている。

■コロナ感染報告も

 大統領選の投票日を1か月後に控え、バイデン氏と熱戦を繰り広げていた昨年10月2日の午前1時、トランプ氏は新型コロナウイルスに感染したことをツイッターで発表した。

 自身と妻のメラニア(Melania Trump)氏が検査で陽性と診断されたと明かし、「ただちに隔離を開始し、快方に向かう。共に乗り越えていく!」と投稿した。

 この投稿には200万件近くの「いいね」がつき、トランプ氏個人の最多記録を更新した。同氏はその後3日間、入院した。

■そして、終幕

 おそらく本人は意図しなかったであろう、トランプ氏のツイッター劇場は8日に終幕となった。

 この日は、バイデン氏の大統領就任式について「行くつもりはない」と投稿。非常に象徴的なこのメッセージが、フォロワー数約8800万人のトランプ氏のアカウントで最後の投稿となった。(c)AFP