【1月9日 AFP】米IT大手グーグル(Google)は8日、米連邦議会議事堂で起きた暴動などを扇動する恐れがある「言語道断のコンテンツ」が含まれているとして、SNSアプリ「パーラー(Parler)」をアプリストアから削除したと発表した。同アプリは、他のソーシャルメディアのプラットフォームで検閲処分を受けたと主張する極右のユーザーの「たまり場」のようになっている。

 グーグルはAFPの取材に対し、「パーラーのアプリ上で、米国で続発している暴力行為を扇動しようとする投稿が相次いでいることは認識している」と説明。「治安が脅かされる緊急事態が今なお続いていることを踏まえ」、こうした問題にアプリ側が対処するまでグーグルプレイ(Google Play)から削除したと述べた。

 米アップル(Apple)もパーラーに対し、ユーザーらが同アプリのプラットフォームを利用して議事堂襲撃のように違法な暴力行為を計画するのを阻止する対策を取らなければ、アップストア(App Store)から削除する可能性があると警告したと報じられている。

 大統領選で不正が行われたとするドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の主張を支持する保守派の人々は、内容が不確かな投稿をチェックするフィルタリング機能のないソーシャルメディアサイトに続々と流れている。

 そうした中で右派の人気を集めているのが、パーラーや、新興ケーブル局のニュースマックス(Newsmax)、動画投稿アプリのランブル(Rumble)などだ。いずれも、ツイッター(Twitter)とフェイスブック(Facebook)が陰謀論に警告ラベルを貼って公開範囲を制限する方針に異議を唱えている。

 ツイッターとフェイスブックは多様な考え方にオープンなプラットフォームを維持する取り組みを続けながら、情報操作やデマの対応に追われている。

 一方、パーラーや類似サイトは、人種差別主義者や反ユダヤ主義者をはじめ、憎悪コンテンツの投稿や暴力行為の助長を理由に他のプラットフォームで利用を禁じられた人々からの人気を集めている。(c)AFP