【1月9日 AFP】中国・北京の南に位置する2都市で、ここ半年で最多となる新型コロナウイルス感染者が確認されたことを受け、封鎖措置が実施された。当局は感染拡大を食い止めようと、交通網の遮断や、市外への人の移動禁止などの対策に取り組んでいる。

 2019年末に初めて湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)で新型コロナウイルスの感染が確認されて以降、中国当局はおおむね同ウイルスの流行を抑えてきた。感染者が少数でも出れば、大規模な検査や地域の封鎖、移動制限を課して、感染を封じ込めてきた。

 しかし、中国北部・河北(Hebei)省では、この1週間で新たに130人以上の感染が確認された。この他に200人以上の無症状感染者も見つかった。

 同省で最も感染者が多かったのは、周辺地域を含めた人口が1100万人に上る石家荘(Shijiazhuang)。隣接する人口700万人のケイ台(ケイは「刑」の「りっとう」が「おおざと」、Xingtai)でも複数の感染者が確認された。

 河北省当局は8日、この2都市では必要不可欠な用事がない限り住民の外出を禁止すると発表。すべての住宅地域を、ロックダウン(都市封鎖)を意味する「封鎖管理」下に置き、「人や自動車の移動を厳しく制限する」とし、住民に、絶対必要でない限り、北京市に入ることや省外に出ることを禁じた。

 石家荘では感染拡大予防のため、9日朝から地下鉄が運休となった。首都北京から約300キロ南に位置する石家荘に通じる主な幹線道路は通行が禁止され、都市間の人の移動も止められている。

 ケイ台当局は感染拡大防止のため、住民に1週間自宅で過ごすよう求めると発表した。

 新型コロナウイルスの制限措置が強化されたことで、2月11~17日の春節(旧正月、Lunar New Year)休暇に多くの人が計画している旅行が台無しになるのではないかという懸念が高まっている。当局は、控えめな春節休暇を示唆し始めている。(c)AFP