【1月10日 CNS】中国では現在、不動産の賃貸利用者数はすでに2億人を超えている。2020年初以来、30社以上の長期賃貸住宅に伴う問題が相次いでおり、住民は大きな困難に直面した。故郷を離れて漂う「出稼ぎサラリーマン」が安心して部屋を借りられるようにいかにすべきかが、規制当局の課題となっている。

 完全データではないが、11月以来、少なくとも重慶市(Chongqing)、深セン市(Shenzhen)、武漢市(Wuhan)、西安市(Xi'an)、広州市(Guangzhou)の5都市では、不動産賃貸市場の規範化を進める公文書が発出されたという。これらの都市政策の内容はそれぞれ重点が異なるという。

 その中で、賃料の管理監督において、重慶市は、賃借人の不動産仲介業者への賃料支払期間が3か月を超える場合、不動産仲介業者が受け取った賃料と不動産賃料ローン方式で獲得した資金は、すべて管理監督されるべきだと指摘した。

 一部の長期賃貸住宅は、「高進低出(不動産仲介業者による高い賃貸・低い賃借)」「長収短付(借り主からの長期徴収・貸し手への短期支払い)」による「夜逃げ」などの問題を招いており、政府部門も既に重視し、社会の関心も集めている。深セン、武漢の両市では関連規制を明確化した。新規則では、不動産仲介業者は「高進低出」「長収短付」などの方式を通じ、賃料を悪意に上げ下げして、賃貸人と賃借人の長期の合法権益を侵犯することは禁じられている。このようなことが発見されれば、不動産管理当局は業界の関連リスクを開示する。さらに、不動産仲介業者は隠蔽(いんぺい)、詐欺、強要などの方式で賃借人に不動産賃料向けの消費者金融を使うよう要求したり、賃料の分割払い、賃料の優遇などの名目で賃借人に不動産賃料向けの消費者金融の利用を誘導したり、同様の金融商品に関する内容を住宅賃貸借契約に記載する等のことも禁じられている。

 深セン、武漢両市は新規定の中で、不動産仲介業者と賃貸人または賃借人は、協議によって不動産賃貸紛争を解決することができない場合には、人民調停、訴訟、仲裁などの法律ルートを通じて解決すべきで、暴力的な脅威、恐喝、断水・停電などの暴力的な手段で賃借人を追い出してはならないと要求している。

 このほか、西安市では、不動産仲介業者に信用格付けをとらせ、虚偽の賃貸、虚偽のインターネット上での売買契約情報の登録などによって政府からの住宅補助金をだまし取ったり、市場価格から乖離(かいり)した高価格で不動産資源を不正取得したり、社会に悪影響を及ぼす場合には、信用スコアを一気にゼロ点にまで差し引き、当該企業を「ブラックリスト」に載せることとする予定。従業員が勤務中に賃貸関係刑事事件を起こした場合にも、信用スコアはゼロ点にまで差し引かれ、その従業員と所属する企業を直接ブラックリストに載せると定める予定。

 中国の不動産研究機関・易居易居研究院(E-House China R&D Institute)シンクタンクセンターの厳躍進(Yan Yuejin)ディレクターによると、同様の規範は「爆雷(唐突な経営破綻)」事件を防ぎ、賃借人と家主、特に賃借人の権益保護に役立っている。賃借人自身はこのような長期賃貸住宅を信頼しているが、より良い保障がなければ、賃貸を信用することはできなくなるだろうという。(c)CNS-中新経緯/JCM/AFPBB News