【1月8日 AFP】イラクの首都バグダッドの裁判所は、同国の親イラン組織の副司令官の殺害に関与したとして、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の逮捕状を出した。

 バグダッドの空港では昨年1月3日、元イラン革命防衛隊(IRGC)のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官と共に、イラクの親イラン武装勢力連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」のアブ・マフディ・ムハンディス(Abu Mahdi al-Muhandis)副司令官が米軍の無人機攻撃により殺害された。

 ムハンディス氏らが乗車した車列への攻撃を命じたトランプ氏は、後に「一撃で2人」を殺害したと吹聴していた。

 国連(UN)特別報告者のアニエス・カラマール(Agnes Callamard)氏(超法規的処刑問題担当)は、2人の殺害を「恣意(しい)的」かつ「違法」と指摘している。

 イランは昨年6月にトランプ氏の逮捕状を出し、国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)に同氏の国際手配を要請したが、これまでのところ要請は満たされていない。

 今回、バグダッド東部の裁判所は、あらゆる計画殺人に死刑の適用を可能とする刑法第406条に基づき、トランプ氏の逮捕状を出したと明らかにした。

 裁判所によると、予備審理は完了したが「イラク人か外国人かにかかわらず、この犯罪に関わった他の容疑者を明らかにするため調査が続けられている」という。(c)AFP