【1月4日 AFP】新型コロナウイルス感染による米国内の死者数が35万人を超えたとの集計をめぐり、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長とジェローム・アダムス(Jerome Adams)米医務総監は3日、数字が誇張されているとのドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の主張を否定した。また、ワクチン接種の遅れについても、トランプ氏から非難された地方自治体を擁護した。

 米当局は当初、元日までに2000万人に新型コロナウイルスのワクチンを接種する計画だったが、実際は現時点で420万人にとどまっている。

 トランプ氏は、接種が遅れている原因は各地の地元当局にあると非難。「連邦政府が各州にワクチンを届けるスピードは、投与のペースをはるかに上回っている!」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 さらに、国内の感染者数や死者数は「ばかげた判定方法」によって「はるかに誇張されている」と主張。米疾病対策センター(CDC)が「疑わしきは新型コロナ感染」とみなす方針を取っていると批判した。

 これに対し、ファウチ氏は「これらは正確な数字だ。実在する人々であり、実際に亡くなった人たちだ」と米ABCに語った。

 トランプ氏に任命されたアダムス医務総監も米CNNに対し、連邦機関であるCDCの集計を疑う理由はないと述べた。

 米各地にはすでに1300万回分のワクチンが配布されたが、物流上の課題や医療現場のひっ迫のため、医療従事者と重症化リスクの高い人への接種は思うように進んでいない。アダムス氏によると「接種を実施するための人員が、急増する新規感染者の検査・対応に追われている」ことも問題となっている。

 米国で3日午後8時半(日本時間4日午前10時半)までに確認された感染者数は累計2060万人、死者数は同35万1452人。いずれも世界最多で、年末年始の休暇明けに増加すると予想されている。(c)AFP