【12月30日 AFP】欧州連合(EU)の保健機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は29日、最近発見された新型コロナウイルスの変異株について、従来の流行株よりも「感染しやすい」ことから、医療をさらに逼迫(ひっぱく)させ、死者数の増加を招くリスクが「高い」と警告した。

 スウェーデンの首都ストックホルムに本部を置くECDCは、最近英国と南アフリカで発見された2種類の変異株に特に焦点を当てた報告書を発表し、どちらも従来株よりも「感染しやすい」兆候があると指摘した。

 ECDCによると、変異株の症状が従来株のものより重いという情報はないが、従来株より感染しやすいという事実から、入院患者数や死者数への影響は大きいと言える。「高齢者や基礎疾患のある人」への影響が特に大きい点は、従来株と同様だ。

 ECDCは各国に対し、「不要不急の旅行や社会活動」の自粛など、「現地の疫学的状況に応じた医薬品を用いない介入の必要性」について引き続き呼び掛けていくよう推奨した。

 また、「変異株の流入や感染拡大を遅らせる」ためのさまざまな選択肢を提案。「変異株の感染発生を早期発見・監視する」ためにコミュニティー内の感染事例についてウイルス株のターゲットシーケンス解析などを例に挙げた。

 さらに、変異株の流行地域とつながりのある人々の「追跡と検査」、そうした地域から来た人々への「隔離の義務付け」と検査を徹底するよう勧告した。(c)AFP