【12月28日 AFP】レバノン北部のシリア難民キャンプで26日夜、火災が発生し、数百人が避難を余儀なくされた。レバノン陸軍は27日、レバノン人グループが口論の末、キャンプに放火したとして、火災に関連し8人を拘束したと明らかにした。

 陸軍は「レバノン人2人とシリア人6人を個人的な口論に関連して拘束した」と発表した。発表によると、口論は「多数のレバノン人男性とシリア人労働者」の間で起きた。陸軍は口論の原因について詳しく説明せず、「レバノン人男性らが空に向けて銃を撃ち、シリア難民のテントに火を付けた」と明らかにした。

 火災は北レバノン県ミニヤ(Miniyeh)のブハニーン(Bhanine)近くにある、約75世帯が暮らす難民キャンプで発生し、火災によりキャンプは焼け野原となった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、キャンプにいた370人以上が避難を強いられ、少なくとも4人がけがの治療のため病院に搬送された。

 27日、火の手を逃れた物を回収しようと、難民数十人がキャンプの焼け跡を訪れた。8年前にシリアから逃れ、5人の子どもを持つアミラ・イサ(Amira Issa)さん(45)はAFPに「私たちの小さいテントの中の物を確認しようと戻って来たけれど、もう何も持っていないことに気づいただけだった」と話した。すすり泣きながら、「一瞬ですべてを失った」と述べた。(c)AFP