【12月26日 AFP】冷戦(Cold War)時代に旧ソ連の国家保安委員会(KGB)に機密情報を流していた英国人二重スパイ、ジョージ・ブレイク(George Blake)氏が26日、死去した。98歳。ロシアの国営ニュースが報じた。

 ロシア対外情報局(SVR)のセルゲイ・イワノフ(Sergei Ivanov)広報官は国営タス通信(TASS)に、「伝説的な情報高官であるジョージ・ブレイク氏が本日、死去した」とコメント。「ブレイク氏はわが国を心から愛し、第2次世界大戦(World War II)におけるわれわれの功績をたたえていた」と述べた。

 ブレイク氏は朝鮮戦争(Korean War)時、米軍機による民間人への爆撃を目にし、ソ連の情報提供者になることを決意。英対外情報部「MI6」の情報員の氏名や、当時の東ベルリンにあった西側情報員が盗聴用に利用していたトンネルの存在などの情報をKGBに流した。

 1961年、KGBの情報員であることが発覚し、禁錮42年の刑を受け収監されたが1966年に脱獄。東ドイツを経由してモスクワに逃れ、ソ連崩壊後も同地にとどまっていた。(c)AFP