【12月24日 AFP】中国当局は24日、電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)について、独占禁止法違反の疑いで調査を開始したと発表した。政府は、中国経済で影響力を拡大する同社への統制を強めている。

 当局はアリババ傘下の金融サービス会社アントグループ(Ant Group)に対しても、「監督的・指導的」話し合いをするとしている。アントは11月、史上最大規模となる新規株式公開(IPO)を実施する予定だったが直前になり中止となったと、国営メディアが報じていた。

 こうした一連の動きは、国内で最も影響力がある企業の一つにまで成長したアリババに対する、当局の統制強化を示している。アリババはEC市場に革命を起こし、創業者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏は中国一の富豪となった。

 中国の国家市場監督管理総局はアリババについて「独占的行為の疑い」があるとしている。

 アントは「真摯(しんし)に勉強し、当局の要請に厳格に従う」と発表している。

 アントは、中国経済に深く根付いているモバイル決済システム「アリペイ(Alipay)」で知られている。だが、同社は個人や小規模事業主向け融資や信用供与、投資、保険などの分野に事業を拡大したため、国の政策と大企業を支える銀行システムを脅かす存在となっている。

 共産党機関紙・人民日報(People's Daily)は24日、「インターネット分野で独占禁止法の監視を強化することは、わが国にとって重要だ。(中略)プラットフォーム経済の長期的で健全な発展を促す」と書いている。(c)AFP/Laurie Chen