【12月23日 AFP】最初の逮捕から今月7日で10年となった内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告(49)について、国連(UN)特別報告者は22日、「米国の敵ではない」としてまもなく退任するドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に恩赦を求めた。

 拷問や刑罰を専門とするニルス・メルツァー(Nils Melzer)国連特別報告者は公開書簡で、「(ウィキリークスは)世界中で秘密主義や腐敗と闘っている。ゆえにその行動は米国民および人類全体の公益である」とし、「アサンジ氏を恩赦することで、大統領閣下は米国民および世界に対し、正義と真実、人道に関する明確なメッセージを送ることになる」と述べた。「真実を語っただけで10年以上にわたって不正、迫害、屈辱に苦しんできた勇気ある男性を、あなたは社会復帰させることになる」

 アサンジ被告は現在、英国で最も警備が厳重とされるベルマーシュ刑務所(Belmarsh Prison)に収容されており、来年1月4日に予定されている米国への身柄引き渡しに関する次の審理を待っている。

 オーストラリア出身のアサンジ被告は、2010年にウィキリークスがアフガニスタンやイラクにおける米軍の軍事行動に関する機密文書50万点を公開したことをめぐり、米国で18の罪に問われている。有罪となれば、175年以下の禁錮刑が科される。(c)AFP