【12月23日 AFP】米ニューヨーク州ウエストポイント(West Point)にある名門陸軍士官学校が、過去数十年で最大のカンニングスキャンダルに揺れている。数十人の士官候補生が今年の春、「うそをつかない、不正をしない、盗まない、そのようなことをした者を見逃さない」という倫理規定を破ったとされる。

 複数の当局者によると、ニューヨーク市の北95キロ、ハドソン川(Hudson River)沿いにある同校で今年5月、新型コロナウイルス流行のためリモートで学んでいた70人以上の学生の微積分学の最終試験の答案に不審な点があることに教官らが気付き、カンニングが発覚した。

 調査の結果、2人は証拠がないとして違反に問われず、4人が退学した。

 残る67人のうち55人はカンニングをしたと認め、更生を促す「特別リーダー育成プログラム」に入った。

 8人は調査が続いており、4人は別の聴収に応じる。

 同校の広報を務めるクリストファー・オファルト(Christopher Ophardt)氏は、「士官候補生らは、規定違反に問われている」と述べ、「試験の無監督制度は機能している。残念だが、67人には自らの行為の責任を取らせる」と付け加えた。

 1802年創立のウエストポイント陸軍士官学校は、4年制で約4000人が在籍している。学費は無料だが、卒業後5年間は軍務に就かなければならない。

 著名な卒業生には、ドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)元大統領、南北戦争(American Civil War)の北軍総司令官で後に大統領になったユリシーズ・S・グラント(Ulysses S. Grant)、元宇宙飛行士のバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)氏らがいる。(c)AFP