【12月22日 AFP】仏レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」は21日、来年からロシアの首都モスクワ版を出版すると発表した。

 ミシュランは、「過去30年間でロシアの料理界に新たなトレンドが生まれている。地元食材の質の向上に尽力する才能豊かなシェフたちが、こうしたトレンドを具体的に表現している」と説明した。

 
 同ガイドは近年、中国の首都北京やスロベニア、米カリフォルニア州にも進出している。

 発表を受けてモスクワのセルゲイ・ソビャニン(Sergei Sobyanin)市長は21日、「観光客とモスクワ市民の双方に向けて私たちの街が新たな視点で切り開かれ、たくさんの前向きな感情が生まれるだろう」と歓迎した。

 ミシュランによれば、モスクワのシェフたちは、極東ウラジオストク(Vladivostok)のタラバガニや、ビーフストロガノフに使われるサワークリーム「スメタナ」などの地元食材を際立たせることで一線を画しているという。

 ロシアでは、2014年のクリミア(Crimea)半島併合に続く欧米諸国からの制裁の影響で、欧州産の食材の多くが不足していた。その結果、モスクワのレストランは近年、地元食材にますます目を向けるようになっている。

 ミシュランはモスクワを選んだ理由として、「ボルシチのようなロシアを象徴するコース料理の唯一無二の味」を挙げている。(c)AFP