【12月22日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーは21日、同国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急激に拡大している状況下で新シーズンの開幕に備えている中、ワクチン入手の「列に割り込む」つもりはないと明言した。

 2020-21シーズンのティップオフを22日に控えたオンライン会見で、シルバー氏は前週接種が開始された新型コロナウイルスのワクチンを得る「順番を待つ」つもりであるとして、「言うまでもなく、いかなる形であれ列に割り込むことはない」とし、「ワクチンが入手できる順番を待つことになる」と報道陣に向かって強調した。

 また、NBAの選手とスタッフがワクチンを打つことの有益性を人々に訴える役割を果たすことを望んでいるといい、「順番が来たらNBAコミュニティーのメンバーが率先して接種し、われわれの計画として、政府の取り組みと連携してワクチン接種が利益になるというメッセージを人々に与えることを願っている」と語った。

 昨季のNBAは、北米中がコロナ禍に見舞われる中4か月間にわたって中断した後、フロリダ州オーランド(Orlando)の安全な隔離環境「バブル」を拠点に7月からシーズンを再開した。しかしながら、現在多くの州で急激な感染拡大に直面している中、各チームがそれぞれの本拠地で今季の開幕を迎えるのは、NBAと全30球団にとって計り知れない物流的困難を伴うことになる。

 シルバー氏は「バブル」のような敷地環境で全シーズンを行うのは「不可能」であるとする一方で、ウイルスのリスクを軽減するための衛生および安全対策を講じることに自信があると強調した。

「これまで何度も、『パンデミック(世界的な大流行)の状況下で、なぜ今シーズンを開始するのか?』と聞かれた」と述べたシルバー氏は、「それはもっともな質問であり、簡潔な回答としては、選手協会(NBPA)とリーグの医療専門家と協議して策定した衛生・安全対策に安心しているということだ」とし、「対策が安全で責任を持って行えるという確信がなければ、われわれはシーズンを開幕させることはしなかっただろう」と語った。 (c)AFP/Rob Woollard