【12月22日 AFP】1988年、ロンドンからニューヨークに向かっていたパンアメリカン航空(通称パンナム、Pan Am)103便が英スコットランド・ロッカビー(Lockerbie)上空で爆破され270人が死亡した事件からちょうど32年となる21日、米司法省は、使用された爆発物を製造したとしてリビアの元情報員を訴追したと発表した。

 訴追されたのはアブアジェラ・マスード・ヘイル・マリミ(Abu Agela Mas'ud Kheir Al-Marimi)容疑者で、「アブアジラ・ムハンマド・マスード(Abu Agila Mohammad Masud)」の名でより広く知られている。ウィリアム・バー(William Barr)司法長官によると、パンナム機を爆破した装置の製造を支援したとされる。

 バー氏は記者会見で、容疑者は現在リビア政府に拘束されているが、裁判のため米国に引き渡されることを確信していると表明。「米国人やその他の多くの人々の殺害の責任を負うこの男が、ついにその罪に対する裁きを受けることになる」と述べた。

 1988年12月21日に起きたこの事件では米国人190人を含む乗客乗員259人に加え、地上の11人が死亡。マスード容疑者はリビアの指導者、故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐のために爆発物を製造する高位の爆弾職人だったとされ、米国と英スコットランドの捜査当局は長年にわたり同容疑者の立件に向け捜査を進めてきた。(c)AFP