【12月22日 AFP】映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(Demon Slayer The Movie: Mugen Train)』が空前のブームを巻き起こし、日本の興行収入ランキングで首位に王手をかけている。

 現在の1位は、2001年に公開されたスタジオジブリ(Studio Ghibli)の『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』。幻想的な世界観の同作は、アカデミー賞(Academy Awards)で長編アニメーション賞を受賞している。

「鬼滅の刃」シリーズは、家族を鬼に殺されたことで人生が一変し、鬼を討つ旅に出る竈門炭治郎(Tanjiro Kamado)の物語だ。映画は10月に公開され、興行収入は311億円を突破した(12月21日時点)。興行収入歴代2位の『タイタニック(Titanic)』を追い抜き、クリスマスまでに首位に立つ見通しだったが、先週、『千と千尋の神隠し』の興収が今夏のリバイバル上映分の興収が上積みされて316億8000万円に上方修正されたため、『鬼滅の刃』の新記録達成は少しお預けとなった。

 同作品の空前のヒットはコロナ禍にもかかわらず、いや、コロナ禍だからこそもたらされたのかもしれない。日本では新型コロナウイルスの感染防止策として「密」を避けるように呼び掛けられ、映画館以外で利用可能な娯楽施設がほとんどなかったためだ。

 妹と映画を観賞したケイさん(25)は、大ヒットしている背景について、時間に余裕ができた人が増えたことは一因にすぎないとして、作品のクオリティーの高さが人を引き付けているのだと思うと話した。「アニメーションが非常に独特できれい。すごく独創的」