【12月20日 AFP】ボクシング、WBA世界スーパーミドル級王座統一戦、WBC同級王座決定戦が19日、米テキサス州サンアントニオ(San Antonio)のアラモドーム(Alamodome)で行われ、パウンド・フォー・パウンド1位の「カネロ(Canelo)」ことサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)が判定の末3-0(119-109、119-109、117-111)で無敗のWBAスーパー王者カラム・スミス(Callum Smith、英国)を下し、二つのベルトを獲得した。

 4階級を制覇し、スーパーミドル級に戻ったアルバレスは、スミスとの大きな身長差をものともせず、新型コロナウイルス対策で人数を制限された観客の前で空位となっていたWBC、そしてスミスが持つWBAのタイトルを獲得した。

 前戦から約1年1か月と過去最長のブランクがあったアルバレスだが、ボクシング界でもとりわけ頭の良いボクサーであることを証明し、すぐさまリーチ差に適応すると、相手の懐に潜り込んでボディーと頭を攻め分けた。まるで豪華なスパーリングかのように手持ちのパンチをことごとくヒットさせ、スミスの腫れ上がった顔面と白いトランクスに飛び散った血が試合展開を物語っていた。

 特に強烈だったのは右アッパーで、アルバレスはそのパンチを力強く繰り出して自分のボクシングを押しつけると、9回にはスミスをロープでかろうじて体を支えているようなダウン寸前の状態まで追い込んだ。

 アルバレスはこれで戦績を54勝1敗2分け(36KO)に伸ばし、一方でプロ初黒星を喫したスミスは27勝1敗(19KO)となっている。

 この勝利で、アルバレスとゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)の3度目の対戦に関するうわさも再燃するとみられる。2018年の2回目の対戦では、アルバレスが物議を醸す判定での勝利を収めた。(c)AFP