【12月19日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)で使われる4万人収容のアフメド・ビン・アリ・スタジアム(Ahmad Bin Ali Stadium)で18日、こけら落としとしてアミールカップ(Emir Cup 2020)決勝が行われ、収容人数の半数に当たる約2万人の観客を集めた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が発生して以降では、世界最大級のスポーツ大会となった。

 首都ドーハから24キロ西に位置する同スタジアムに集まったファンは、正式認可のある医療施設で数日前に新型ウイルス検査を受け、陰性もしくは抗体検査で陽性となっていればチケットの購入が可能となっていたが、会場でソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)は最小限しか取られていなかった。

 スタジアム内はマスクの着用、決められたシートへの着席、食事の禁止が義務付けられていたにもかかわらず、キックオフ前のファンゾーンでは人々が互いに距離を取っている様子は見られなかった。

 観戦に訪れた25歳の男性はAFPに、「大規模なイベントを組織できる証しとなった」と語った。これほど大勢の人の中にいるのは久しぶりだとし、「このような2万人の大会を開催できるとは考えてもいなかった」と話した。

 2022年W杯では決勝トーナメント1回戦を含む7試合が予定されている同スタジアムには、カタールのタミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長や国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長の姿もあった。

 試合は、現役時代にスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)で活躍したシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)監督が率いる優勝候補のアル・サード(Al-Sadd)が、アル・アラビ(Al-Arabi)に2-1で競り勝った。

 2022年W杯組織委員会のトップを務めるナセル・アル・ハタル(Nasser Al Khater)氏は先日、2021年中もしくは2022年の年明けまでに全てのスタジアムが完成する見通しを示していた。お披露目されたカタールW杯の会場は、アフメド・ビン・アリ・スタジアムで四つ目となっている。(c)AFP/Gregory WALTON