【12月17日 AFP】ニュージーランド統計局が17日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は、前期比14%増と過去最高の伸び率となり、新型コロナウイルス流行に起因する景気後退から一転、記録的な回復を遂げた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のロックダウン(都市封鎖)措置が導入された4~6月期のGDP成長率は、前期比11.0%減だった。

 グラント・ロバートソン(Grant Robertson)財務相は、新型ウイルスの封じ込めに成功したニュージーランドの努力が報われたとの見解を表明。「景気回復は、われわれがパンデミック(世界的な大流行)早期に厳格な対応を取ると決断した結果だ」と述べ、「給与補助金制度で労働者180万人を支援し、インフラ整備や職業訓練、雇用創出にも数十億ドルを投じた」と続けた。

 ロックダウンで強制的に動きが止まっていた個人消費や建設業が、その後の成長をけん引した。市民生活がほぼコロナ以前の日常に戻る中、小売業、宿泊業、飲食業はそれぞれ42.8%増と急回復。建設業は52.4%の伸びを見せた。

 厳格なロックダウンで市中感染を防ぎ、徹底した検査の実施と接触者追跡によって二次感染に対応したニュージーランドの新型コロナ対策は、広く称賛されている。

 人口約500万人のニュージーランドの累計感染者数は1744人で、死者数は25人のみ。現在の感染者数43人は全員、入国の際に感染が確認された事例だ。現在も入国は厳しく制限されており、国際便の到着客全員に2週間の隔離が義務付けられている。(c)AFP