【12月17日 AFP】英政府は16日、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)から同国初となる子どもへの食料支援を受けたことが明らかになり、激しい批判にさらされている。

 野党・労働党は、クリスマス休暇中に国内の貧困家庭約2000戸を対象に朝食を配布するための支援をユニセフから受けたことは「不名誉だ」と批判。同党副党首のアンジェラ・レイナー(Angela Rayner)氏は、「われわれは世界で最も裕福な国の一つだ」とし、「こうなってはならなかった」と述べた。さらに、英国の子どもたちが、紛争地帯や自然災害に見舞われた地域で活動する人道的慈善団体に依存する必要がないようにすべきだと批判した。

 与党・保守党は以前にも、休暇中に最貧層の子ども向けに食事を無償提供する政策について激しい批判を受け、政策の転換を余儀なくされている。

 ユニセフからの補助金2万5000ポンド(約350万円)は、ロンドン南部サザーク(Southwark)にある複数のNPOに支給され、NPOは学校でクリスマス休暇の2週間に1万8000食の朝食を提供する計画。また、2月の中休み(ハーフターム)にも朝食6750食を配る。

 ユニセフは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、第2次世界大戦(World War II)後最大の緊急危機を子どもにもたらしていると指摘している。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の報道官は、政府はコロナ禍で子どもたちを空腹にさせないための政策を取っており、最近も食事を無償配布している慈善団体に対し1600万ポンド(約22億円)の追加支援を表明していると主張した。(c)AFP