イエメン、幼児の栄養失調が深刻化 コロナや資金不足で 国連報告
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【10月28日 AFP】(写真追加)国連(UN)は27日、内戦が続くイエメンの一部地域で、幼児の栄養失調が記録史上最悪レベルで進んでいると報告した。新型コロナウイルスの流行や支援資金の不足により「世界最悪の人道危機」がさらに深刻になっている。
同国南部では5歳未満の子どものうち、50万人以上に急性栄養失調が確認された。現在調査中の北部でも「同様に懸念すべき」結果になるとみられている。
国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が出した共同声明によると、5歳未満の子どものうち、重度の栄養失調に苦しむ人数は今年中に15.5%増えて少なくとも9万8000人となる。この子どもたちは緊急治療を受けなければ「死亡する危険性が非常に高い」という。
イエメンでは2014年以降、サウジアラビア主導の連合軍の支援を受ける暫定政府と、イランが支援する反政府武装勢力フーシ派(Huthi)が内戦を繰り広げ、世界最悪の人道危機が発生している。
人口の80%近くに相当する2400万人超が、生き抜くために何らかの形で援助に頼っているが、今年はその状況が急激に悪化している。
国連は、「激化する内戦と経済の衰退に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行による多大な影響を受けて、すでに疲弊した国民が瀬戸際に追い込まれている」と指摘した上で、緊急食料支援などの支援プログラムが資金不足により中断されたと述べた。(c)AFP