【12月16日 AFP】ナイジェリア北西部で学校の寮が襲撃を受け、大勢の生徒が拉致されたとみられている事件で、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が15日、犯行声明を出した。これが事実であれば、ボコ・ハラムが10年以上前に活動を開始して以降、同域で襲撃に及んだのはこれが初めてとなる。

 事件は11日夜、カツィナ(Katsina)州カンカラ(Kankara)にある男子校で発生。行方不明者の正確な数は依然不明だが、軍報道官は14日、地元テレビ局に対し、生徒333人の行方が分からなくなっていると話した。

 同州のアミヌ・ベロ・マサリ(Aminu Bello Masari)知事は14日夜、拉致加害者らが「政府に接触してきた」「生徒らが無事帰宅できるよう協議中」だとツイッター(Twitter)で明かした。

 同国では2014年、北東部チボク(Chibok)で少女276人が拉致される事件も発生。当時ソーシャルメディア上で使用された「#BringBackOurGirls(少女らを取り戻せ)」というハッシュタグに倣い、今回の事件発生後は「#BringBackOurBoys(少年らを取り戻せ)」というハッシュタグが広がっている。

 襲撃は当初、「盗賊団」と呼ばれる武装集団の犯行とみられていた。しかしボコ・ハラムの関与が確認されれば、何万人もの命が奪われ、数百万人が家を追われた紛争が拡大していることを意味する。

 ボコ・ハラムとその敵対勢力の「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」はこれまで、ナイジェリア北東部や近隣のカメルーン、チャド、ニジェールで活動を展開してきたが、最近になって、ナイジェリア北西部にも入り込んでいるという懸念が広がっていた。

 ムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は、ボコ・ハラムとの戦いを優先課題としてきたが、同氏が2015年に大統領に就任して以降、同国の治安は悪化している。(c)AFP/Aminu ABUBAKAR