【12月13日 AFP】エチオピア北部ティグレ(Tigray)州の州都メケレ(Mekele)に12日、国際支援団体の救援物資が初めて到着した。同地域では11月4日に戦闘が勃発して以降、難民危機や人道被害が引き起こされている。

 赤十字国際委員会(ICRC)によると、負傷者400人分の医薬品や医療機器のほか、人口50万人を抱えるメケレへの救援物資を積んだトラック7台が到着した。

 国連(UN)は、ティグレ州にいる10万人近くのエリトリア人難民の窮状に懸念を募らせており、こうした難民や食料供給に頼っているその他の60万人を支援するためにティグレへの立ち入りを緊急に認めるよう呼び掛けた。

 昨年ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したエチオピアのアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は11日、政府が人道的対応とティグレ州への立ち入りを担当するとした上で、エチオピア政府が11日の週に、トラックで何トンもの食糧や救援物資を、メケレをはじめとする同地域の複数の都市に届けたと明かした。

 エチオピアはティグレ州への立ち入りを制限しており、同州では通信も遮断されているため、現地の人道的状況を把握するのが難しくなっている。

 フィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)国連難民高等弁務官によると、難民たちが殺害、誘拐されたり、ティグレ州北部と国境を接する秘密主義の国エリトリアに強制送還されたりしているとの「憂慮すべき多数の報告が」寄せられているという。

 アビー首相は11月28日、連邦政府軍がティグレ州政府与党「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」からメケレを奪取し、同州での戦闘が終わったと宣言。戦闘が継続しているとの報告については、「散発的な発砲」だと一蹴している。

 国際シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」によると、紛争の犠牲者は数千人に及び、5万人近くが隣国スーダンの難民キャンプに逃れているという。(c)AFP