【12月12日 AFP】キューバのミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領が10日、来年1月1日に施行される改革の一環として最低賃金月額を現行の5倍に引き上げる方針を発表したと機関紙が11日に報じた。これにより、最低賃金は現在の400ペソ(約1600円)から2100ペソ(約8700円)になる。

 改革では1994年に導入された米ドルと等価に固定された兌換(だかん)ペソを今後6か月かけて廃止し、通常のペソのみを残す。ペソの価値は兌換ペソの約24分の1。

 この試みの目的は、キューバ経済を効率化して簡明化を図り、外国から投資を呼び込むことにある。同国は現在、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権に制裁を強化され、経済的に困窮している。

 改定後の最低賃金の給与体系は職種に応じて32段階に分かれ、最高で9510ペソ(約4万円)となる。キューバの統計当局によると、現在の平均最低賃金はわずか879ペソ(約3700円)。

 キューバの今年の経済成長率はマイナス8%と予測されている。(c)AFP