■IT企業も虐待を見抜くツールを開発するべきだ

 性的虐待を受けているのは発展途上国の子どもたちだけではない。

 オーストラリア警察はこの数か月間に、児童を虐待しているコンテンツをオンラインで作成または共有した容疑で男15人の身柄を拘束し、被害を受けたとみられる子ども46人の身元を特定した。うち16人は同じ施設の子どもで、被害者の年齢は生後16か月から15歳までで、平均年齢は8歳だった。

 問題への取り組みは新型ウイルスによって一層困難になっている。

 オーストラリアではウイルスの感染拡大を防止するために国境が閉鎖される前は、児童虐待の容疑者が東南アジアから飛行機で帰国したタイミングで警察が身柄を取り押さえるケースがたびたびあった。しかし、多数の性犯罪者がオンラインに移行したため、ハドソン氏によると、警察はビデオ会議などのオンラインツールを利用して諸外国の警察と連携を強化し、追跡を続けている。

 一方、タネイゴ氏は、取り締まりの強化に加えて、IT企業の方でも、虐待がライブ配信されているのを把握できるツールの開発にもっと力を注ぐ必要があると主張する。

「性犯罪者や人身売買業者が、自分が利用しているプラットフォームで犯罪がばれて逮捕されるのを恐れているのであれば…(そうしたツールによって)オンラインで子どもを虐待しにくくなる」とタネイゴ氏は言う。

「楽にお金を稼いだり、性的満足を得たりするのは、逮捕されて刑務所行きになるリスクを冒してまでやるべきことじゃない」と語った。(c)AFP/Holly ROBERTSON / with Agnes Anya in Jakarta and Allison Jackson in Manila