【12月11日 AFP】南米エクアドルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林地帯に暮らす先住民族ワオラニ(Waorani)は10日、油田で発生する余剰ガスの焼却処分によって先祖から伝わる土地が汚染されているとして、中国国営の石油会社ペトロオリエンタル(PetroOriental)を相手取り提訴した。

 約150人のワオラニが暮らすミワウノ(Miwaguno)村の指導者らは、首都キトの東に位置するオレリャナ(Orellana)県の主要都市フランシスコデオレリャナ(Francisco de Orellana)の裁判所に、「被害者」として提訴した。

 ワオラニの人々は、「私たちの生活様式は一変した」と訴状で述べ、「気候変動によって、私たちの生存そのものが脅かされている」と訴えた。

 ワオラニが反対している「フレアリング」と呼ばれる余剰ガスの焼却処分は、石油精製の過程で広く実施されており、ペトロオリエンタルも行っている。

 環境保護活動家らによると、オレリャナ県には燃焼処理を行う施設が密集しており、ワオラニは燃焼処分で発生する煙が土地や水源を汚染していると主張している。

 ワオラニの50代の女性は「雨は石炭みたいな味だが、飲料水がないので利用している」と述べた。

 ペトロオリエンタルはオレリャナ県の第14鉱区と第17鉱区の採掘を行っており、1日当たり約1万バレルの石油を生産している。(c)AFP/Diego SÁNCHEZ