【12月10日 AFP】1982年サッカーW杯スペイン大会(1982 World Cup)でイタリア代表を優勝に導いたパオロ・ロッシ(Paolo Rossi)氏が、64歳で死去した。10日、同国メディアが報じた。

 妻のフェデリカ・カッペッレッティ(Federica Cappelletti)さんはインスタグラム(Instagram)に、夫妻の写真とともに「永遠に」というコメントにハートの絵文字を添えて投稿し、ロッシ氏の死去を発表。また、フェイスブック(Facebook)では「あなたのような人は今後決していない。ユニークでスペシャルで、あなたの後にはまったくもって何もない」とつづった。

 イタリアの英雄は、八百長スキャンダルにより1980年に3年間の出場停止処分を受けて危うくスペインW杯出場を逃すところだったが、無実を訴え続けた結果プレーを許可された。

 小柄で軽快なウイングだったロッシ氏は、センターFWに転向。適切なタイミングで適切なポジションにいることができる不思議な才能を持っていた。

 爆発的な活躍を見せた82年のW杯では、3-2でブラジルに勝利した一戦でハットトリックを記録。2-0で勝利した準決勝のポーランド戦では全得点をたたき出すと、決勝の西ドイツ(当時)戦でも先制ゴールを奪取した。

 イタリアが3-1で勝利して優勝を飾ると、ロッシ氏は6ゴールで大会得点王に輝き、その年のバロンドール(Ballon d'Or)にも選出された。

 1978年のアルゼンチン大会(1978 World Cup)でも4位の成績を挙げたロッシ氏は、代表通算48試合20得点を記録した。イタリア代表としてのW杯通算9得点は、ロベルト・バッジョ(Roberto Baggio)氏、クリスティアン・ヴィエリ(Christian Vieri)氏と並び歴代最多タイとなっている。(c)AFP